妻へ。
君と付き合ってから4年。
結婚してから3年が経った。
早かったなと思う。
本当に、早かった。
君と付き合い始めて、程なくお互いが「結婚」を意識した。
それは僕にとって初めての経験だった。
当時私はまだ25歳で、「結婚」なんてまだ先のことだと思っていた。
だけど、君と付き合い始めて、自然と結婚を考えるようになった。
そうして、付き合ってちょうど1年の日。
僕は君と、君は僕と結婚した。
3年前の今日だね。
そして結婚の翌年、3月頃だったと思う。
僕は君から妊娠の連絡を受けた。
僕は丸ノ内線の電車のなかにいて、僕はその電車のなかで泣いた。
それは僕自身にとっても驚くべき涙だった。
僕は子どもはいてもいなくてもどちらでもいいと思っていた。
君が望めば作ればいいし、望まないのであれば作らなくてもいい、と。
だけど、君から聞いた「子どもができた」の一言に、私の目からはばかみたいに涙が零れた。
こんなにも幸せなことってないと感じた。
どんどんと大きくなるおなかが愛おしくて仕方なかったよ。
君がそのおなかを優しく撫でる姿を見て、僕は幸せを感じざるを得なかったよ。
そして出産。
子どもが出てきた瞬間というよりは、産声を聞いた瞬間に、再び僕は泣いた。
自分の命よりも大切で尊いものなんてないと思っていた。
だけどその日、僕のその考えはあっさりと崩壊した。
僕は僕自身よりも大切なものを手に入れた。
僕らの子と、そして君だ。
おかしな話かもしれないね。
「私に関しては、結婚の段階でそう思ってなきゃダメでしょ」と君は言うかもしれない。
だけど、そうではなかった。
その瞬間に、君と僕らの子の存在が、僕にとってのすべてになった。
この小さく温かな命と、それを守る母のためなら、僕はどんなことでもできると、本気でそう思ったんだ。
子育ては大変だけど、楽しいね。
君は仕事と子育てを両立させて頑張ってくれている。
ストレスも溜まるよね。
数えきれないほどの喧嘩をした。
本気で別れようかと思うほどの喧嘩もあった。
一度、夜中に家を出て外泊したこともあった。
すべてをシャットダウンしていろいろと考えた。
考えて気付いた。
いろんなことがあるけれど、僕にとって一番大切なのは君や僕らの子そのものだ、と。
僕が一番大切にしなければいけないのは君たちの存在そのものだ、と。
それでもやはり感情的になって、僕は時に声を荒げてしまう。
君も一歩も引かなくて、激しい喧嘩をすることもある。
だけど。
妻へ。
君が見せる笑顔が愛しくて、僕はその笑顔を見たくて頑張れる。
結婚して3年が経った今日という日でも、その気持ちは変わらない。
僕は君の笑顔を見続けたいと思う。
これから先もずっと。
いつか僕が死ぬときに、僕の枕元でその笑顔を見せて欲しい。
「先にいって待っているからね」と、僕も笑顔で答えたい。
そうして、再会したら。
2人でまたおいしいものを食べに行こう。
妻へ。
3周年、おめでとう。
3周年、ありがとう。
これからもずっと、僕のそばで僕の背中を押して欲しい。
妻へ。
僕は君を愛している。