どんなに頑張っても、どうしてもあの人は好きになれない…。顔を合わせることすらストレスに思ってしまう…。
そんな人が職場にいたりしませんか?
人が感じるストレスのほぼすべては、人間関係が原因。その人のことを考えて、休みの日でも胸の中がモヤモヤしてしまったり。
ご紹介する『人間を磨く』は、そんな人間関係からくるストレスをフッと軽くしてくれる本かもしれません。
田坂広志『人間を磨く』
ご紹介するのはこちら。
田坂広志さん著の『人間を磨く』です。
「人は誰しもが多面性を持っていて、自分の中の様々な人格を育てることが大事である」、と本書で語られています。
「人間関係」はその人格を育ててくれる修行の場。その人間関係を好転させる7つの「心の技法」が書かれています。
この記事では、私なりの解釈を踏まえて、7つの心の技法を見ていきます。
1 心の中で自分の非を認める
非を改めるのではなく、非を認める。
非がある、欠点があるから人が離れるのではなく、自分の非を認めず、「そうじゃない!」と思い込むことで人が離れていく。
自分のなかで非を認めることで、それが自然と態度となり、相手に伝わる。
2 自分から声をかけ、目を合わせる
意見・感情がぶつかった時、人は「自己嫌悪」と「他者不安」を感じる。
自己嫌悪→なんであんなことを言ってしまったのだろう
他者不安→相手がみんなに自分のことを悪く言っているのでは
自己嫌悪と他者不安は相手側も感じている。自分の非を認め、自分から声をかけ、目を合わせて話をすることで和解する。和解により「受容感覚」が生まれ、2人の間に「こいつは自分を受け入れてくれるんだ」という安心感が生まれる。
非を認めず「自分は間違っていない!」という感情に支配されると、それを正当化しようとする心の動きが起こり、相手の欠点を探し始めてしまう。
3 心の中の「小さなエゴ」を見つめる
自分の非を認められないときの中の心の中は
- 評価を落としたくない
- 自分は正しい!
- 自分は優れているんだ!
- 変わる必要はない、今のままでいい!
という小さなエゴで溢れる。
それらを乗り越え、「成長したい。自分を変えたい」という感情は「大きなエゴ」。
人は本当の自信がないと謙虚になれない。自分の非を認め、ほれらを克服して成長していこうとする姿勢こそが「謙虚」であるということ。
本当の自信は競争に勝つことでは得られない。本当の強さがないと感謝ができない。
→感謝すれば本当の強さが身につくし、謙虚になれば本当の自信が身につく。
4 その相手を好きになろうと思う
好きになろうという気持ちになるための5つの視点。
- 本来、欠点は存在しない。個性だけが存在する
- 嫌いな人は実は自分に似ている
- 「共感」とは相手の姿が自分の姿のように思えること
- 相手の心に「正対する」だけで関係は良くなる
- 相手を好きになろうとする気持ちは最高の贈り物
発酵と腐敗の違いは?
発酵→人にとって有益
腐敗→人にとって有害
「人にとって」というエゴな視点で言葉が違うだけ。欠点も同じ。
自分にとって好都合→長所
自分にとって不都合→欠点
5 言葉の怖さを知り、言葉の力を活かす
嫌悪の言葉は嫌悪の感情を引き出し、強化する。
好感の言葉は好感の感情を引き出し、強化する。
心が動くと言葉を語る→言葉を語ると心が動く。言葉の力。
心の中で相手を褒める、感謝するだけで嫌悪感は薄れていく。
6 別れても心の関係を絶たない
河合隼雄の言葉「愛情とは関係を絶たぬことである」
7 その出会いの意味を深く考える
全ての出会いは自分という人間の成長のため。
全体を通しての感想
各所に著者の実体験エピソードが交えられていて、とてもわかりやすい本でした!
個人的にあまり人間関係のストレスがないのですが、それってもしかしたら私があまり嫌いな人を作らないからかな、と思ったり。
就職活動していたときから「人として成長したい。人の価値観や世界観を知り、自分のそれを広げたい」と思ってきたし、自分の言葉で自分を傷付けて、どんどん感情がエスカレートしていく様を目の当たりにした経験もあるので、言葉の怖さにも納得。
非を認めることは簡単なことではないけれど、自分のエゴだけでなく、相手の言い分もちゃんと聞いてあげれば、心は軽くなるんだろうなと思いました。
人間を磨くということ。人間関係のなかで人は磨かれていきます。
意見を持つことと、人を批判し非難することは同意ではないですね!
トリまとめ
本書はレビュープラスさんから献本をいただき、レビューさせていただきました。
この手の本を読んだのは初めての経験!なるほど、フッと心が軽くなる気がします。
人として成長するためのアドバイスが盛り込まれた一冊です。ぜひご一読ください♪
それでは。こっこ(@cocco00)でした!
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