デジタル時代に、今、アナログな文房具が空前のブームとなっています。
トレンドを映す鏡とも言える本屋には、文房具を特集した雑誌が並んでいるのを良く目にすると思います。
この文房具ブームを背景に、今、『万年筆』に興味を持つ若者も増えています。
なぜ万年筆が人気なのか。その魅力について少し語ってみます。

なお、この記事は企画『七人のブログ侍』の記事としてお届けしています。企画については末尾をご覧になってくださいね。
なぜ今『万年筆』が人気なのか
少し前、伊東屋を特集した『カンブリア宮殿』で、「伊東屋の売上の25%程度を万年筆が占めている」ということが言われていました。
『万年筆』と聞くと何となく高価で、年配の方が使っているイメージを持つ人も多いかもしれません。が、実際に銀座にある『K.ITOYA』に行ってみると、思った以上に若い人の姿も多いことに気がつくはず。
ブームの火付け役はパイロットの『カクノ』と『色彩雫』
私が考える万年筆ブームの火付け役はパイロットの『カクノ』と、同社の『色彩雫』です。
カクノとは
『カクノ』は2013年10月にパイロットが発売した「子どもでも気軽に使える万年筆」をテーマに作られた万年筆。
ドイツなどでは子どもは鉛筆ではなく万年筆を使って文字の書き方を覚えるそうです。
万年筆は自然と正しい持ち方ができるようになるため、鉛筆よりも先に万年筆で文字を書く練習をするわけですね。
そんな万年筆を1,000円という安価な価格設定で売り出したパイロット社。
LOFT、ハンズ、街の文具店など、若者が気軽に入るお店に商品が並んだことにより、主たるターゲットの「子ども」だけでなく、若者たちにウケたのがポイントでした。
安価で手に入るカクノが若者を中心にブームを巻き起こしました。
色彩雫とは
カクノ人気で高まった万年筆ブームに追い打ちをかけたのが、同社のインクブランド『色彩雫』。
色彩雫自体はカクノ登場よりもずいぶん前、2007年に発売されており、以降そのカラーラインナップを増やしていました。
パイロット社は2014年11月に色彩雫24色の中から3色自分の好きな色を選んで購入できる『色彩雫mini』を発売。
通常の色彩雫は50ml入り1,500円のインクですが、miniは1本15ml入りが3本で2,100円。
「より多くの色を手軽に楽しみたい」というユーザーの意見を見事に反映させた『色彩雫mini』が、万年筆ユーザーの裾野を広げました。
万年筆の魅力
なぜこんなにも万年筆は人の心をつかんで離さないのか。
以前、万年筆の魅力について記事を書きました。
どうも。こっこ(@cocco00)です。仕事用の筆記具、あなたは何を使っていますか?ボールペン?シャーペン?私は万年筆を使っています。なぜ万年筆なのか。一度も万年筆を使ったことのない人は思うでしょう。...
今回は改めて、今私が考える万年筆の魅力をお伝えしようと思います。
使い続ける愛着

お気に入りの靴、お気に入りの傘、お気に入りの服。
自分のお気に入りのアイテムって、長く使い続けますよね。
大好きだから長く使いたいし、長く使うからますます大好きになる。
相乗効果によって、愛着はどんどん増していきます。
万年筆はその名前が示すとおり、長く長く使い続けることができる文房具です。
使えば使う程、ペン先が自分の『書き癖』を覚えてくれ、より自分に馴染んできてくれます。自分に合わせて成長してくれるんです。
これは他の筆記具にはなかなかない感覚です。
画一的なボールペンとは違う。たとえ同じ商品であっても、書き手の書き癖を覚えてペン先が進化し、自分だけの1本になる。
モノが溢れる時代だからこそ、長く一緒にいられるアイテムには愛情が湧きます。
ずっと使い続けることができる、というのは万年筆最大の魅力なんだと思います。
書く行為自体が楽しくなる
photo credit: Art of Writing via photopin (license)
万年筆を使うと『書く』という行為そのものが楽しくなります。
書くために万年筆を使うのではなく、万年筆を使いたいがために書くようになるんですよね。
そうすると、書くことそのものが楽しくなる。
誰かに手紙を書きたくなったり、日記を書きたくなったり。こんなに書きたくなる筆記具は他にありません。
インクを替えると表情が変わる

同じ万年筆でも中に入れるインクによって表情がガラリと変わります。
インク替えも万年筆の魅力です。
季節によって、気分によって、用途によって、インクを変えて文字を書く。
ボールペンのようにリフィルをさっと替えて色を変えられるわけではありません。入っていたインクを水で綺麗に洗い、乾燥させ、それで新しい色のインクを入れる。手間がかかります。でも、その手間すら楽しいんです。
また、万年筆で書く文字には濃淡が出ます。ボールペンのように画一的な濃さではなく、それによって文字に味が出ます。インクにより濃淡の出方は異なり、その濃淡もまた楽しい。
例えばひとくちに「青」と言っても、様々な種類の青がありますし、メーカーによって色味が全然違ったりします。
数あるインクのなかから自分のお気に入りを見つけるのも楽しいですし、あるいはオリジナルインクを作れるようなサービスもありますので、そういうところで自分だけの「青」を作るのもまた楽しいです。
インクは本当に沼ですw
美しすぎるデザイン
万年筆ほどバラエティに富んだ外見の筆記具もないんじゃなかろうか?
万年筆は見た目が本当に美しいんです。

△例えばコレ。
私が欲しくてたまらなかったデルタの『ブルーグロッド』という万年筆です。ブルーグロッドは青の洞窟のこと。
グリップ部分は波をイメージしてデザインされていて、スキューバダイビングをする私の憧れの万年筆です。
まぁ21万円もしますけどねw

△私が愛用しているのはペリカンのM405黒。
インク残量がわかる窓がついていて、その部分が濃いグリーンになっています。
シックな中にもオシャレな感じがあって、大好きな万年筆です。
これ以外にも、蒔絵、寄木、螺鈿など、様々な細工で作られた万年筆があったりして、見ているだけで楽しくなります。
トリまとめ
私が感じる万年筆の魅力をいくつかご紹介しましたが、人によって万年筆に惹かれる部分は異なると思います。
ただ、これだけは間違いなく言えます。
万年筆は"楽しい"筆記具だと。
鉛筆もボールペンもシャーペンも、それぞれ魅力はありますが、万年筆はズバ抜けて楽しい。
「でも、万年筆って高いんでしょ」
いえいえ、カクノをはじめとして、安くても素敵な万年筆はたくさんあります。
次回は安価でオススメな万年筆をご紹介させていただく予定ですので、お楽しみに!

なお、この記事は『七人のブログ侍』という企画の記事にもなっています。
日替わりで様々な記事を読める企画となっておりますので、Twitterで『#七ブ侍』をチェックしてみてくださいね。
明日、金曜日はガジェとろのアリマックス(@chesmin2009)さんです。
ぜひチェックしてみてくださいね♪
それでは。
こっこ(@cocco00)でした!
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