尊い3つの命(ならびに3本のアナカリス)を失った。
言葉を発することのない彼らは、しかし、その死をもって私に原因を教えてくれた。
こっこは茫然とした。必ず、かのメダカの死因をつきとめ、水槽内からその原因を除かねばならぬと決意した。こっこには水槽のノウハウはわからぬ。こっこはただのサラリーマンである。ブログを書き、息子と遊んで暮ら...
外掛けフィルタを止めたその日から、水槽内は落ち着きを取り戻し始めた。

フィルタを止めた水槽
フィルタを止めて数日が経過した。残ったクロメダカ2匹は元気に水槽内を闊歩もとい闊泳し、餌も良く食べる。
やはり死因は水流だったのだろう。
フィルタを止めたことにより気になりだしたのが水の汚れだ。
水槽の濾過は大きく2つ
水槽の濾過には大きく2つの種類がある。
すなわち、生物濾過と物理濾過だ。
生物濾過とは、魚の糞などから発生するアンモニアなどの有害物質をバクテリアが分解し、害のない物質にすること。
物理濾過とは、水槽内のゴミなどを名前の通り物理的に取り除くこと。
この物理濾過をするための機械がフィルタだ。
フィルタは、水槽内の水を汲み上げ、濾過フィルタを通して再び水槽内に戻すことで、水中のゴミを取り除く。
これを止めたことにより、私の水槽は物理濾過が完全にストップした。
目に見えて水中の不純物が増えた。
水槽に再び活気を
水槽内のゴミの最たるものはエサの食べ残しだ。
食べ残しが極力出ないよう、エサやりのときは1度にたくさんではなく、小出しにして何度かにわける。しかしそれでも、どうしても食べ残しは出てしまう。
あ、あと、ヤツら、よくわからないけど口に入れたのに吐き出すこともある。
パクッ。…ペッ。
エサの形なのかなんなのかわからないけど、吐き出されるとちょっとイラっとする。
残餌処理戦隊ミナミヌマエビマン
諸悪の根源とも言える残餌が世(水槽)にはびこるなか、それを殲滅するヒーローの登場が待ち望まれた。
そのヒーローこそ、ミナミヌマエビマン(以下ミナミ)だ。
彼らは小さきヒーローだ。よく似たエビで同じく水槽の残餌処理戦隊として名を馳せるヤマトヌマエビマン(以下ヤマト)よりも、その身体は1〜2回りくらい小さい。
当然、処理能力もヤマトより劣る。
しかし、私がヤマトではなくミナミを召喚したのには理由がある。
ヤマトはときおり人(メダカ)をも襲うというのだ。
ヤマトはその体躯を維持するために良く食べる。ヤマト1匹でミナミ3〜5匹ぶんくらい食べるのではないかとと言われている。そして、その食欲が故に、悪たる残餌だけでなく、守るべき存在(メダカ)までをも捕食するというのだ。
そんなヤマトを私はヒーローとして認めるわけにはいかないんだ。
様子見でヒメダカ5匹追加
乱世(水流的な意味で)のなか、次々と命を落とした人々(メダカたち)。私は再び世に活気を送るべく、ヒメダカを5匹追加購入した。
クロメダカではなくヒメダカである。
3匹の死因は水流と思われたものの確信はなく、その後水槽は落ち着いてはいるものの、まだ予断は許されないものと思えた。
それゆえ、私は安価なヒメダカを選択したのだ。
すまぬ。ヒメダカよ。
ヒメダカ40円、クロメダカ100円。5匹で300円の差は大きいんだ。
敏感なミナミヌマエビ
実はミナミヌマエビマンは水質に敏感な生き物だ。
そのため、水合わせもメダカ以上に丁寧に行う必要がある。
袋の中の水温を合わせ、袋の中の水を少しずつ飼育水に替えていく。
なんてか弱いヒーローか。しかし、人々の彼らに対する期待は厚い。
2時間くらいかけて水合わせをし、水槽にミナミ3匹を投入した。
活気付く水槽内
ミナミヌマエビ。やたらと身体が青い。
これは、おそらくアクアショップの水槽の背景が青だったからだ。
これはメダカにも言えることなのだけれど、ミナミヌマエビは、保護色と言って、外敵から見付かりづらくするために体色を背景色に近付ける習性がある。
落ち着いたクロメダカに対して、来たばかりのヒメダカはまだバタバタしている。迫り来る死への恐怖か。否。ネガティブな空想はやめよう。
ヒメダカは、緋目高と書く。
緋色の緋だろうけど、緋色というよりも橙に近く、黄味が強い。目の位置が高いところにあるから目高と名付けられたそうだ。
なんたるバルタンっぷりか。
バルタン星人はセミとザリガニがモデルだったっけ?
ヒーローというよりはどちらかというと悪役顔だ。しかし、水槽をぱたぱたと泳ぎ回るその姿は、意外にもめんこい。
気さくなミナミは、地味で目立たないカバクチくんにも声をかける。
「よう、元気か?」
「う、うん、ちょっとお腹が空いているけど…」
「この水槽、まだコケがそう多くないもんな」
ヒーローはコミュ力が高くなきゃいけないんだ。大変だ。
トリまとめ
満を持して投入されたミナミヌマエビたち。
彼らは乱れた世を救うことができるのか!?
次回!残餌処理戦隊ミナミヌマエビマン
『戦場に流れる涙』
キミは本当に守るべきものを守れているか?
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【次回】
フィルタ(濾過器)を止めたことで恐るべき死の連鎖は止まった。気になり始めた水槽内のゴミはミナミヌマエビを投入することで軽減を図った。水槽はすっかり落ち着きを見せた。ミナミヌマエビを投入したものの、やは...
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